補助金の選び方：採択を狙う“3つの視点“
IMAS編集部
「どの補助金が自社に合うのか分からない」「申請したけれど通らなかった」──そんなお悩みを、採択側の評価軸に沿って整理します。
本記事では、数多くの申請支援の現場で蓄積した知見から、採択率を高める3つの視点と、今日から使えるチェックリストをまとめました。
まず押さえる：補助金の基本
- 目的が最優先…「雇用」「生産性」「賃上げ」「地域貢献」など、補助金ごとに政策目的が明確です。
- 後払いが原則…採択後に発注・実行・支払い→実績報告→補助金入金（つなぎ資金の設計が必要）。
- 採択＝交付決定ではない…採択後に要件確認や見積要件を満たせず、交付決定に至らない例も。
採択を狙う“3つの視点”
① 適合性（ポリシーフィット）
その補助金の政策目的・対象要件に、申請内容がどれだけ合致しているか。
目的と施策が一本線でつながっているかを説明できることが鍵です。
- 対象経費に該当しているか（ハード／ソフト、外注、広報費等）
- 加点要件（賃上げ、インボイス／電子帳簿対応、GX/DX、地域連携 等）を満たしているか
- 公募要領のキーワードを計画書に自然に反映しているか
② 実現性（プランの確からしさ）
計画が本当に実行できるか。スケジュール・体制・資金計画が具体的か。
「いつ・誰が・何を・いくらで・どう測るか」を数字で示します。
- 実施スケジュール（WBS）と担当責任の明確化
- 自己資金・つなぎ資金・借入の手当（資金繰り表）
- 見積の整合性（仕様統一、相見積、相場妥当性）
③ 費用対効果（事業効果の見える化）
投下資金に対し、どのような成果が見込めるか。売上・粗利・生産性・雇用等のKPIで示します。
事後のフォローアップに耐える根拠データ（試算・前提）を添えると説得力が上がります。
| 指標 | Before | After（計画） | 根拠の出し方 |
|---|---|---|---|
| 売上 / 粗利 | ○○百万円 / ○○% | ＋○○百万円 / ＋○pt | 新規顧客数×単価、受注率×平均客単価 等 |
| 生産性 | 1人当たり売上 ○○万円 | ＋○○% | 処理時間短縮、歩留まり改善の試算 |
| 雇用・地域 | 従業員○名 | ＋○名（予定） | 採用計画の根拠、教育計画 |
よくある“非採択”の原因
- 政策目的とのつながりが弱い（キーワード不一致、効果が曖昧）
- 経費の対象外／見積の不備（仕様がバラバラ、相見積不足）
- スケジュールや体制が実行レベルになっていない
- 数字の根拠（売上・粗利・生産性）の示し方が不足
今日から使える：事前準備チェックリスト
- 公募要領を最新版で入手し、対象・加点要件を整理した
3社以上の相見積（同一仕様・同一条件）を依頼済み
つなぎ資金の目途（自己資金／融資）が立っている
事業KPI（売上・粗利・生産性等）のBefore/Afterを試算した
実施体制（担当・役割・スケジュール）を社内合意した
必要な証憑（登記簿・決算書・納税証明 等）をリスト化した
申請までの標準フロー
- 要件確認（対象・加点・スケジュール・資金計画）
- 見積・仕様固め（相見積、導入規模の妥当性確認）
- 事業計画の作成（目的―施策―効果―KPI を一本線で）
- 電子申請（GビズID等の事前取得）
- 採択後の交付申請・契約・実行・実績報告
無料相談：自社に合う補助金を一緒に選定
「どれを選べば良いか」「要件が合うか不安」という段階からご相談ください。
目的に合う公募の選定 → 事業計画の磨き込み → 申請・実績報告まで伴走支援いたします。
